学校沿革

当校は、かつてその母体であるフィリピン日系人会運営のもと、フィリピン日系人会教育センターと呼ばれていました。 1992年6月に幼稚部を開園、園児は年中にかろうじて10名、年長に14名の、合わせて24名でした。 初代理事長には故ロドルフォ・トゥトール・シニア氏が就き、事務局長のビセンテ・モリ氏(故人)が補佐していました。 初代園長はアテノドーラ・モリ氏(故人)で、その後日系人である故アウロラ・B・ハオ(本田律子)氏に引き継がれました。 最初に着任した教師はエヴァ・ナカリオ=スプライン氏、ルエリン・ クビオ=ボビレス氏でした。

1993年に小学校第一学年を開設し、創立から4年を経た1996年には小学部全学年が揃った学校となるまでに成長しました。

設立当初、日本語は選択科目と位置付けられていました。 退職した日本人ビジネスマンや教育関係者が、故マリア・ムラカミ氏主導のもと、ボランティアとして授業を行っていました。 現在では日本語は幼稚部から高等部までの必修科目となっています。

1999年、教育部会は、高等レベルの教育機関に対して高まる要望に応えるべく、中等部を開設することを決定しました。 以降、理事会メンバーのイネス・ヤマノウチ・パパイヤ=マリャリ氏が証券取引委員会(SEC)

および教育省(DepED)への登録に向けて奔走しました。 その結果、学校はその母体であるフィリピン日系人会から独立した独自の組織となり、 1999年10月18日、 登録番号第D199900952 号として正式に証券取引委員会に、続いて1999年10月20日には教育省にも登録されました。 その後、学校名はPhilippine Nikkei Jin Kai School of Davao(フィリピン日系人会学校ダバオ校)に変更となりました。

2001年4月、イネス・ヤマノウチ・P・マリャリ氏が校長に就任しました。 2001年8月9日、在フィリピン日本大使館より荒義尚全権大使(当時)が学校をご訪問されました。 それから一年後の2002年には、後任の高野幸二郎全権大使(当時)も同じくご来校されました。

2002年8月、マリャリ校長の主導のもと、学校はフィリピン=ジャパン・フェスティバル(旧称 RP=ジャパン・フェスティバル)を初開催しました。 2003年、ウィルフレッド・テランテ・シニア氏が第3代校長に就任しました。

2003年6月16日、初等部高学年は、教育省より公式に認可(002, S., 2003)され、2005年3月21日には中等部も同様に認可(002, S., 2005)されました。2005年9月23日、フィリピン日系人会学校は、入国管理局により、外国籍の生徒の受け入れが可能な学校として認定されました。 2005年9月23日、フィリピン日系人会学校は、入国管理局により、外国籍の生徒の受け入れが可能な学校として認定されました。 それを受けて校名は再度変更され、2005年10月17日よりフィリピン日系人会国際学校となりました。

2004年8月26日はすべての学校関係者にとって嬉しい記念日となりました。第3回RP=ジャパン・フェスティバル開催期間中のこの日、当時のダバオ市長で現在(2019年)のフィリピン共和国大統領であるロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が日系コミュニティからの熱烈な歓迎を受け、当校をご訪問されたのです。 ドゥテルテ氏はまた、日本の山花郁夫衆議院議員、本校の支援者である網代正孝氏、 ダトゥ・バゴ賞受賞者の故・内田達男氏等とともに盆踊りの輪にも加わりました。

2004年12月8日、日本政府の高官である在フィリピン日本国大使の山崎隆一郎氏(当時)が来校されました。

2005年、ダトゥ・バゴ賞受賞者の故・内田達男氏のご厚意をいただき、学校は、既存の校舎に対面する5000平米の土地の取得にかかる融資を得ることができました。 その地に学校のスポーツ施設と、 幼稚部ならびに初等部低学年が入る内田校舎を建設し、2006年6月10日に落成となりました。

2005年はまた、イネス・マリャリ氏と内田有亮氏の構想による第1回ダバオ市野球大会が開催された年でもあります。試合は市内カリナン地区にあるルーテナント・シプリアーノ・ビリヤフエルテ・シニア 小学校に於いて、 小学生部門に5チームが参加して行われました。 主催は、フィリピン日系人会(PNJK)関連団体ならびにダトゥ・内田ディベロプメントファウンデーション(Datu Uchida Development Foundation, DUDF)でした。

目標として掲げる質の高い教育を提供することを目指し、2007年にはフィリピン教育機関認定協会(Philippine Association of Accrediting Schools, Colleges and Universities, PAASCU)の認定を申請しました。 また同年、フィリピン日系人会学校カリナン校幼稚部が15名の新入生を迎えて開校しました。

2007年12月10日、再び日本大使のご訪問という機会に恵まれ、桂誠全権大使(当時)がご来校されました。

2008‐2009年度、中等部は、政府の補助金を支給して経済的な問題を抱える生徒を支援するという制度である、教育サービス協定(EDUCATIONAL SERVICE CONTRACTING, ESC)ならびに教育バウチャーシステム(EDUCATIONAL VOUCHER SYSTEM, EVS)の認定校となりました。

2008年8月22日、フランシス“キコ”パンギリナン・フィリピン上院議員(当時)が「第20回フィリピン日系人会の日」の行事の際に学校を訪問されました。その演説の中で、上院議員は、 ご自身もまた日本人の血筋を持っていることを述べられました。

2012年9月6日、7日の両日に、フィリピン教育機関認定協会の認定委員が当校を公式に訪問し、2012年11月には基礎教育プログラムに対する評価であるフィリピン教育機関認定協会のレベル1およびフィリピン評価機関連合会(The Federation of Accrediting Agencies of The Philippines, FAAP)の認定を受けました。

2015年8月、最新設備を備えたエアコン完備の中等部の日系校舎が落成しました。

2016年1月28日、ソフィテルマニラに於いて、理事長兼校長のイネス・ヤマノウチ・P・マリャリ氏は、理事会議長のアントニーナ・B・オオシタ・エスコビャ元判事とともに、日系コミュニティを代表して、日本国天皇皇后両陛下にお会いするという栄誉をいただきました。

2016年12月、ダバオ市にあるSMラナンプレミア・SMXコンベンションセンターにて、日本国大使の石川和秀氏(当時)の主催による天皇誕生日を祝うレセプションが行われました。その中で、ご臨席下さったフィリピン共和国大統領、ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ閣下が日系人会の代表者一同を写真撮影に招かれるという一幕もありました。

K to 12 教育プログラムの最終二学年の教育を提供するため、2016年6月、第11学年に101名の新入生を迎えて高等部を開設しました。 この新設部第一期生は、かつての日本フィリピンボランティア協会(JPVA)の3階建ての宿舎を改装した、エアコン完備の7教室を校舎として使用しています。

2016年11月には、基礎教育プログラムでのフィリピン教育機関認定協会レベル2ならびにFAAPの認定がなされ、当校の歴史に新たな栄光が加わりました。

続く2017-2018年度には、11年生に116人、12年生に89人の、合わせて205人の新入生が入学しました。

12年生の第一期修了生86人は、2018年4月4日に無事に卒業しました。

この新しい高校カリキュラムは、必修科目と生徒の選択に基づいた専門科目により構成されています。 生徒は、適性、興味、および学校の収容能力に応じて専門分野を選択することができます。 現在、当校では、普通科(GAS: General Academic Strand), 会計・経営学科(ABM: Accounting, Business Management), 人文科学科(HUMSS: Humanities, Social Sciences), 理工学科 (STEM: Science, Technology, Engineering and Mathematics) の4コースを提供 しています。

2017年1月13日、フィリピン日系人会国際学校25年の歴史においてハイライトとも言える出来事がありました。この日、日本国内閣総理大臣、安倍晋三氏ならびに安倍昭恵夫人が当校を訪問されたのです。

この特別訪問においては、日系社会全体が安倍総理大臣ならびに昭恵夫人を心から歓迎しました。 学校では生徒たちが「小さな世界(It’s a small world)」を歌い、続いて行われたKabataang Pangarap ni Rizal (KAPARIZ、在校のクラブ名)によるハンドマイムの演技は心からの温かいおもてなしの気持ちが込められており、安倍総理大臣をはじめ、全ての来場者の感動を呼びました。又、昭恵夫人は目に涙を浮かべて学生の演技に見入っておられました。

又、同年9月17日には、下地幹郎参議院議員が学校創立25周年記念の機に当校を訪問され、フィリピン日系人会国際学校の歴史に新たな1ページが刻まれました。

フィリピン日系人会国際学校は、以下の理事会により運営されています。 理事会議長:アントニーナ・B・エスコビリャ元判事 理事長兼校長:イネス・P・マリャリ氏 副理事長:カルメン・C・アピゴ氏 書記:ルエリン・C・ボビレス氏 会計係:ロドリゴ・M・スエミツ氏 監査役:ジュセブン・S・アウステロ氏 理事会会員:アデライダ・S・パナギトン氏、フェリペ・C・ヒキアル氏 ジョセリン・フランコ氏、エレン・オチャロン氏

現職の各部部長 管理部:ロウェナ・T・カンラス氏 日本語指導室:メイ・A・デベロ氏 幼稚部および初等部低学年:ローレライ・S・ジュビラード氏 初等部高学年:ジョセリン・D・フランコ氏 中等部:ロドリゴ・B・ベラスコ・ジュニア氏 高等部:ルシア・D・ホソル氏 施設管理責任者:ルエリン・C・ボビレス氏 各部部長はそれぞれ教科主任(Subject Area Coordinators, SACs)の補佐を受けています。

有能な教職員を揃え、保護者の皆様、地域社会から多大なるご支援を受けることにより、当校の生徒数は増え続けています。